『日本の山 70's』


私が山に登り始めた1970年代は、山は御神体であり人間にとって大切な自然でした。水や建築用材、山菜などの恵みをもらう代わりに 大切にしなければなりませんでした。お金はなくても、みんなが助け合えば生きていけるゆったりとした時代、山も本来の自然の姿でした。

その頃はモノクロ写真が全盛で、カラーフィルムがようやく出始めた頃。中判カメラとモノクロフィルムで、各地の山を写しまわっていました。 登山も写真も一生懸命、技術を身につけようとしていたので、その頃の写真を見返すと、策を弄さず真正面から山と向かい合って写しているので、 ほっとするほどいい気分になれます。もしかしたら、その時代ののんびりした雰囲気が定着されているのかも知れません。
その時代に写したモノクロ写真を、整理しながら掲載していくつもりです。これは自分自身の楽しみのためという意味が大きいのですが、 今では写せなくなった山の記録写真、ともいえそうです。

1979年に武甲山の山頂の採掘が許可(誰が許可したのでしょう?)されてから、日本の自然も人間もおかしくなってきたようです。 この国に生きるために守られていた規範(自然と人間との契約と言った方が判りやすいかも知れません)を取り払ったために、 お金だけが唯一の価値、と勘違いしている人間が増えて、浮ついた世の中になってしまいました。

それだけではなく、人間の一方的な 契約違反に対する自然からの請求書が、これから突きつけられようとしています。水と緑のこの国が、砂漠になってしまうのかも知れません。 そうならないために、立ち止まって考え、人間が生きやすい未来を創造しなければならない、と思っています。


『日本の山 70's』入口

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